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「喜びが多い人生」を送るための新しい価値観

サッカー日本代表を見て思うこと

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もう40年近くサッカー日本代表を観てきているが、今回のチームはあることが劇的に変わったと感じてます。ちょっと、僕が勉強しているビジョン心理学の話になってしまうのですが。。

ビジョン心理学では【心の三角形モデル】というものがあります。どういうものかというと、

人は生まれてから誰かを頼らないと生きていけない[依存]の時期を過ごします。その次に自分で何でもできるという[自立]の時期を経験します。[依存][自立]への準備の為ともいえるでしょう。[依存]も自立も周りの人との人間関係はあるけど、大きな目的のベクトルは自分に向いています。[依存]の時期は学生まで、[自立]の時期は社会人になってからと思えばわかりやすいかもしれません。

そして、私たちの多くは[自立]を極めることが心の成長の達成点だと思い込んでます。子供の頃から「ちゃんと自分でできるようになりなさい」言われ、「早く大人になってひとりで何でもできるようになりたい」と思い始めました。それが[依存]や自立の時期にがんばれる源になっていたかもしれません。

しかし、ビジョン心理学の【心の三角形モデル】ではこの先がありました。[相互依存]という名前の時期です。“依存”という言葉が入っているので誤解されるかもしれませんが、『共に生きる』『みんなと一緒に生きていく』という意味です。ベクトルは自分ではなく、ベクトルはみんなに向いています。家庭を持ちパートナーや子育てをしたり、仕事でも役職になり会社全体や部署をまとめていくことなどが、あなたの成功や幸せに直結してくるということです。自分が出来るかどうか?ということがメインテーマだったのが、周りの人がもしくは周りの人とできるかどうか?がメインテーマに変わってきます。

理屈だけだとわかるような話で簡単そうですが『共に生きていく』とは、やってみるとなかなか難しい。これまで使っていた言葉の意味や概念も変える必要があるものもあります。

これがビジョン心理学の【心の三角形モデル】の簡単な解説(詳しく話すともっとあるけど)。

このモデルがなんだか、日本サッカー代表でもあてはまるなぁと、強く感じるのです。

僕がサッカーや日本代表に興味を持ち始めた中学生の頃は「サッカーとはなんぞや」と海外の人に教えてもらわない、頼っていかないといけないという意味で、[依存]の時期でした。

Jリーグが始まる前でした。Jリーグが開幕してもしばらくは外国人助っ人の能力によってチームが強いかどうかは決まっているような感じもありました。またサポーターもどうやって応援したらいいかもわからず、海外の応援の仕方を学んだりもしてました。

1998年のW杯初出場を経験して、2002年の自国開催の頃から、選手の技術が上がり海外でプレーする選手も多くなり、[自立]の時期に入っていったんだと思います。自分のことをとにかく強化することが必要でした。

ではその頃、日本代表は強くなったかというと、上手い選手は増えた割には、それに比例するように強くはなってない。というのもチーム内で選手同士で自己主張がぶつかるようになりチームがバラバラになっていきました。史上最高のメンバーと言われた2006年ドイツ大会のジーコジャパンでは、予選リーグ敗退に終わりました。[自立]の時に見られる「自分が正しい」「自分で何とかする」「自分が勝っている」という感じの選手ばかりで、チームとしてのまとまりということにはあまり関心なさそうなチームでした。

その後、3つの大会で、個々の能力・技術とチーム力ということをたくさん経験してきたはずです。この時期は「試合に出れる選手と出れない選手」という話をよく聞きました。日本代表に選ばれた選手の半分しか試合にはスタメンで出れなくて、交代があっても、1/3の選手は試合にも出れないことになり、そのことについて話題になってました。というか、僕が興味をそそられる話だったのかもしれません。日本代表に選ばれるぐらいの選手はクラブチームではもちろんレギュラーでこれまでの経歴でも、ずっとチームのレギュラーで中心の選手だったはずです。しかし、日本代表ではもしかしたら補欠という立ち位置かもしれません。こういう時にチームにどういう態度でいるのか?ということです。試合に出られる(自分でできる)のが成功で、出れない(自分では出来ない)のは失敗という考えは、とても自立的な考えです。それだとチームとしては強くならないという体験をしたんだと思います。

今回のカタール大会のチームでは、レギュラーだろうか補欠だろうが、チームの為に、という言葉をよく聞きます。もちろん個々のサッカー選手のしての能力・技術が高いのは当たり前です。選手も監督もスタッフも、チームが勝つためのことをやっていて、それは[相互依存]みたいだなぁと思うのです。スタメンで出れない選手も試合に全く出ない選手もチームのためにやることはあるはずで、それを探し何とかチームに貢献しようとし、一方で試合にいつでも出れる準備をします。それが出来るような環境を監督やスタッフは作っていてサポートしているはずです。試合に出れないなら不貞腐れるような選手はもつ日本代表にはいないんだと思います。(多分それが出来ない選手は選ばれてない)ドイツに勝ったのは運だけではない、明確な目標を持ってここに向かってきたからだと思うのです。もちろん各選手が海外でレギュラーとして活躍しているという側面もあるでしょうが、それだけでは説明つかない部分の話です。

そんな日本代表とビジョン心理学「心の三角形モデル」と重ねて見えるという話でした。

日本人には和を大切にすること、それで力を発揮することは、長けていると思います。それは文化的な特徴であり、世界で戦う時に有利になる才能だと思います。そんな視点でW杯を楽しみたいと思います。